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統合マーケティングツールKLAVIYO(クラビヨ)の機能と特徴

統合マーケティングツールKLAVIYO(クラビヨ)の機能と特徴

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近年、日本国内においても海外SaaSの注目は高まりつつあります。

統合マーケティングツールの「Klaviyo(クラビヨ)」も、そうした注目SaaSの一つです。

「Klaviyoのサービスや機能を詳しく知りたい」

「Klaviyoの導入を検討している」

という方もいるでしょう。

しかし、日本語でKlaviyoについて詳しく導入を解説した記事や企業向けサイト情報は、公式サイトを除いてほとんど無いのが現状です(2021年10月現在)。

そこでこの記事では、Klaviyoの機能やメリット・デメリット、料金、導入事例などについて、詳しく解説します。この記事をお読みいただくことで、多くのECショップや企業の担当者がKlaviyoに注目する理由について、理解を深めて頂けるでしょう。

Klaviyo(クラビヨ)とは

Klaviyoは、メールマガジンの配信や顧客データ分析、SNSの活用などを総合的に行うマーケティングツールです。

企業規模に関係なく、デジタル広告の集客支援や分析、営業(インサイドセールス)の自動化を行えることが、Klaviyoの大きな魅力として挙げられます。

とくに、ECサイト作成支援サービスのShopifyを始めとしたeコマースプラットフォーム各サービスとAPIで連携し、メールマーケティングを効率化する拡張サービスとして注目度の高い海外SaaSです。

Klaviyoの機能と特徴

Klaviyoには、マーケティングに不可欠な顧客データの「セグメンテーション」や「ターゲティング」の実施、それらに関する分析を中心とした機能が備わっています。

「セグメンテーション」とは、顧客を「区分」することです。マーケティングでは、どの属性の誰に配信すべきかメールの内容ごとに分けて、有効な相手を特定しておくことが重要となります。それさえ分かれば、後は顧客のターゲットにマーケティングを施す「ターゲティング」をするだけです。

また、EC向けの機能としてeコマースプラットフォームで使える「ワンクリック統合」機能があります。これは、無制限にリアルタイムなデータを取得し、複雑な設定なしにメンバー全体で共有できます。これにより、高度で専門性の高いメールマーケティングの実現に大きく貢献することができます。データを集めてニーズに合わせたメール配信をすることで、顧客との適切なコミュニケーションが可能になるからです。

他にもデジタルマーケティング全般で使えるさまざまな機能があります。

  • ECマーケティングの自動化(Facebook広告、オートレスポンダー、キャンペーン)
  • マーケティングROI
  • セグメンテーション
  • データリストのインポート
  • A/Bテスト
  • 各種分析・レポート

Klaviyoの用途や活用方法

さまざまな機能を持つKlaviyoは、ECショップに関連したプロジェクトやビジネスシーンで活用されることが多いツールです。

例えば、「メールマーケティングを始めたいが、顧客データの活用が上手くできていない」といった中小企業のEC事業者にとって、Klaviyoは最適なソリューションとなるでしょう。

Klaviyoを導入することで、キャンペーンによる売上アップや集客効果を高められ、さらには、営業の効率化などを図ることができます。顧客に合わせた文面を自動化してメール配信やテキストメッセージに配信する業務効率化なども特徴的です。

メールの集客結果は、「開封率」や「クリック率」などから分析・レポートとしても活用可能です。メールマーケティングや集客に人手を割いてしまい、業務圧迫の起こっているシーンではKlaviyoのツールが大いに活用できます。

Klaviyoのメリットとデメリット

Klaviyoには導入するときの長所や短所があります。ここでは、3つのメリット・デメリットを紹介します。

Klaviyoのメリット1:Shopify利用者の連携が簡単

メリットの1つ目は、ECサイトと連携利用しやすいことです。KlaviyoはShopifyを利用してECサイトを構築した事業者・ショップ向けのサービスとしても使われます。初回に無料で連携まで完了するため、すぐにでも使い始められます。

Klaviyoのメリット2:メールマーケティングが容易

Klaviyoの特徴は、メールマーケティングに注力した機能がいくつかあることです。特にメールマガジンのテンプレートが豊富に用意されています。加えて、モバイル用のライブラリ設定機能も備えています。SMSや電子メールなど、テキストメッセージの自動化する場面に活用しやすいでしょう。

Klaviyoのメリット3:顧客の管理・予測に最適

ECマーケティングで重要なのは、目の前の売上を一時的に最大化することではなく、将来的な顧客価値を長く最大化することです。

顧客のデータから収益を高めるような情報の収集と予測は、Klaviyoの分析・レポート機能や追跡機能が適しています。

直接的な営業やサイト構築などに使わなくても、ECショップ運営者や企業担当者にとっては、今後の方針決定や販売・集客方法を判断するうえで十分なメリットといえます。

Klaviyoのデメリット1:機能が多彩で使いこなすまでに慣れが必要

Klaviyoは、メール配信やその周辺機能が豊富ですが、マーケティングに必要な機能を幅広く有しているため、使い方が多岐にわたります。そのため、どの機能から使い始めるのか、どこを重点的に施策すればよいのか、判然としないというデメリットがあります。

このデメリットの対策としては、すでにノウハウのある専門家やコンサルに支援を受けることで回避することができます。確実なのは、Klaviyo公式に支援サポートを頼むことでしょう。

どの機能を重点的に使い、どの業務でどの機能から使い始めるのか。それさえ分かっていれば、このデメリットは実務上の大きな障害にはなりません。

Klaviyoのデメリット2:日本語ではない

アメリカやイギリスなどの英語圏が中心で、日本語での紹介例が少ないように、ツールそのものが日本人向けになっていないため、ホームページやツールそのものが英語です。また、日本語での事例が少なく、日本の企業で英語に慣れていない社員が利用する場合はデメリットです。

ただし、英語をネイティブ並に読みができる必要はなく、主要な機能をある程度英語で押さえれば、(覚える学習期間は必要なものの)その後は業務に差し支えることはありません。

Klaviyoのデメリット3:国内の実務例が少ない

海外向けのKlaviyoは、注目度が高まっているとはいえ、まだまだ日本では多数の企業が導入しているものではありません。そのため、先行事例を研究して活用しようと思っても、情報の不足に悩まされてしまう可能性があります。この対策としては、海外事例をいかに国内向けにチューンできるかを検討することです。

むしろ、国内の成功例が稀なため、デメリットを逆に活かして、Klaviyoを活用した先行企業として国内での成功例という独自の立場を確立することができるでしょう。

Klaviyoの導入費用

Klaviyoの料金は、EメールとSMSでそれぞれ異なり、無料アカウントでは最大250通の連絡先に送信することができます(2021年9月時点)。

  • メールの連絡先の総数 250まで無料(251~ 毎月20ドル)
  • テキストメッセージの送信予定数 50まで無料(51~ 毎月5ドル)

以上は件数によって料金が決まり、無料アカウントでは件数を超えた時点でグレードアップの画面が表示されます。ホームページの機能を使って数字を入力するだけで、件数に応じた料金をシミュレーションすることが可能です。

Klaviyoと他社マーケティングツールとの比較

マーケティングツールには、世界で多くのバリエーションが登場し、顧客管理や収益アップ、営業・セールスなどの分野で幅広く使われています。

しかし、Klaviyoは多機能なマーケティングツールとして知られており、オールインワンツールとして市場の分析から顧客データの収集、集客(メールマーケティングなど)、分析まで1つのツールで一括することができます。

一方で、特定の業務に特化する一般的なマーケティングツールは、専門性にあわせて機能を決める傾向にあり、営業なら「SFAツール」(ツール例:Salesforce Essentials、formrun、WaWaFrontierなど)、顧客管理なら「MAツール」(ツール例:List Finder、Liny、SATORIなど)のように、その業務に有利な機能を有していることがほとんどです。

例えば、MAツールのLinyでは顧客管理やセグメンテーションの実施によるメール配信の自動化に特化し、SFAツールのSalesforce Essentialsでは、カスタマー対応向けのメッセージ・SNS機能や単純作業の自動化、営業の顧客データ収集などに対応しています。

つまり、他のツールはいずれも細分化されており、通常は複数のマーケティングツールを組み合わせて使わないといけません。

EC事業やECショップ運営は基本的に営業・販売・経理のトータルな分野を含むため、Klaviyoの包括性は、他のマーケティングSaaSと比較した際の大きな優位性と評価できます。

Klaviyoは日本企業でも導入可能?

Klaviyoは英語圏向けのツールはありますが、サービス自体は国内で使えるため、ECショップは日本語の表記で国内展開することは十分に可能です。国内での導入事例はまだまだ広まっていませんが、国内の中小企業や個人事業主でも、問題なく事業に取り入れることができるでしょう。

Klaviyoの導入事例

Klaviyoについての特徴やメリットを確認したところで、今度は実際の導入事例について紹介します。

アパレルショップ「Premier」の導入事例

Premierは自社ブランドのアパレルやスケボー製品の商品を販売する小さなお店です。Shopifyのプラットフォームを使い、当初からEC販売を基本とした販売戦略を続けていました。しかし、Klaviyoを導入したことで値引きの通知やキャンペーン情報の提供などを自動化することで、値下げトリガーによる顧客通知を数秒で設定することが可能となり、収益を劇的に高めることができました。

不特定多数の販促より、「値下げメッセージ」を興味ある製品の顧客に対して行うことで、エンゲージメントも高めています。結果的にメールの開封率73%メールのクリック率12%、1ヶ月内に生み出される収益が4,005ドルまで引き上げられたと報告されています。この数値は、Premierのような小さな個人店にとしては驚異的な数字だと言えるでしょう。

ジュエリーショップ「Catbird」の導入事例

ニューヨークを中心にジュエリーのハンドメイドのブランド作品を提供するCatbirdは、店舗拡大による急成長したお店です。導入前は、対面からオンラインへのデジタル販売方式にする際の顧客体験が課題としていました。そこで、すぐにKlaviyoを導入し、デジタルな顧客体験を追求することを決定しました。

中でも、自動化に必要な顧客リストの作成や顧客体験を通したコミュニケーションの継続、差別化することで顧客ニーズに合わせた配信内容の提供、電子メール戦略による収益アップなどが、Klaviyoの選定理由だったとのこと。実際にメール所持者からの収益増加は前年度比で60%も高まっています。他にも既存顧客の収益が40%増、オンライン新規顧客は34%増にものぼります。

ゲーマー向けグッズ会社「KontrolFreek」の導入事例

KontrolFreekはゲーマー向けのゲーム体験向上製品を販売するアトランタの会社です。Klaviyoを導入した直後は、メールマーケティングとしてテキストメッセージングの実験を実施し、効果を計測したことで、「クリック数」や「購入数」が大幅に向上したと報告しています。

最初は効果に疑問を持っていたMitchell Chapmanも、間近でビジネスの成長を実際に体験し、Klaviyo導入の意義を実感したそうです。また、Klaviyoが2020年に新たなチャネルとして展開した「SMSマーケティング」のサービスも、KontrolFreekはすぐに導入しました。これにより、ターゲティングをより正確に行い、カート落ちからの再アクセスによる利益を向上させることができました。

さらに、両方の注文数比較も可能なため、電子メールとSMSのどちらが売上に貢献したかもチェックできます。これによりSMSのクリック率25%上昇、8%の収益増加、SMS転換にかかる38%の費用縮小などが実現しました。

まとめ

Klaviyoは国内でも使用可能なECショップ運営やデジタル業務の効率化に最適なマーケティングツールです。たくさんの機能を使いこなせれば、さまざまなマーケティングに効果を発揮します。

その一方で、機能を把握して適切に利用するまでには多少の慣れも必要です。これから日本でKlaviyoの使用を検討している方は特にです。導入事例を参考に、メールやSMSのマーケティング機能が充実していることを多くの人が確認できます。

メールマーケティングにこれから取り組みたいECショップや企業担当者の方は、一度Klaviyoを検討してみてはいかがでしょうか。

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