海外クラウドサービス活用のコツ!日本のSaaSとどう違う?特徴の基本とおすすめ事例
この記事では、海外クラウドサービス活用のコツや、日本のクラウドサービスとの違い、海外クラウドサービスの導入がおすすめの事例などをご紹介していきます。
クラウドサービスとは?ならではの特徴を把握しよう
まずは、クラウドサービス全般に言える特徴について把握していきましょう。
インターネット上でサービスが提供される
クラウドサービスとは、インターネット経由でサービスが提供されるツールになります。
たとえば、Googleドキュメントと、Microsoftワードの違いを考えてみましょう。Microsoftワードは、ソフトをパソコンにインストールして使用します。一方でGoogleドキュメントは、アカウントを開設すれば、ソフトをパソコンにインストールしなくても、WEBブラウザ上で使うことができます。
このように、ソフトウェアをインストールしなくても、WEB上で使用できるサービスのことを、クラウドサービスと呼びます。実際には、専用のソフトを使って動かすタイプのクラウドサービスもありますが、基本的にはWEB上で使える、ブラウザで動くサービスのことだと考えて良いでしょう。インターネット上で提供されるため、インターネット接続環境が必須となります。
ソフトのアップデート作業やメンテナンスが不要
基本的にクラウドサービスは、ソフトのアップデート作業といったメンテナンスが不要です。ソフト自体はサーバー上で稼働しており、サービス提供者がアップデートなどのメンテナンスを行っているためです。そのため私たち利用者は、こうしたメンテナンスを気にすることなく、常に最新の状態で使用することができます。
高度なセキュリティ
インターネット上で提供されるサービスというと、セキュリティに不安を持つ方もいるかもしれません。ですが直感に反して、クラウドサービスはセキュリティ面でも有利です。
ソフトウェアを自分のパソコンにインストールする従来の形では、セキュリティも利用者自身が施す必要がありますが、個人や中小企業が行える水準には限界もあります。一方でクラウドサービスは、サービス提供者のサーバー上でソフトウェアが稼働しており、そこにアクセスしてソフトを使う形になります。ITの専門技術を持ったサービス提供者が、しっかりとサーバーを集中管理しています。そのため、個人が自己判断でセキュリティ環境を構築する従来ソフトよりも、より高度なセキュリティが実現されています。
どこからでも同じ作業環境にアクセスできる
クラウドサービスの利点は、「どこからでも同じ作業環境にアクセスできる」という点にもあります。会社のオフィスに備え付けのデスクトップだけでなく、営業先に持って行ったノートパソコンでも、手元のスマートフォンやタブレットでも、常に同じソフトウェア、同じ作業環境にアクセスし、ファイルやデータを閲覧したり編集することが可能です。
たとえば外出先で、急にファイルの編集が必要になったとしましょう。営業先に向かう途中、資料を見直していたら、記載ミスを見つけてしまった…といったことは、よくあるトラブルですよね。そうした際に、今までなら、急いで会社に電話をかけて、「急いで訂正して修正ファイルをメールで送って下さい」と指示を出し、修正ファイルの送付を待つ必要があります。しかしクラウドサービスを使っていれば、外出先でも、すぐに手元で編集を施すことができます。発見した記載ミスをその場でサッと修正し、資料を整えることができます。
このように、どこでも同じ作業環境にアクセスできるため、ビジネスの機動力を大幅に向上させることが可能です。
ネットを通して共有やグループワークがしやすい
全てではありませんが、多くのクラウドサービスでは、共有やグループワークの機能を備えています。これも、インターネット上で稼働するクラウドサービスならではの特徴と言えるでしょう。
たとえば、手元のパソコンのMicrosoftワードで作った文章を、誰かに共有したいと考えます。その場合、ワードファイルをメールに添付して送付した後、念のため電話をかけて、「今、資料をメール添付で送りましたので確認をお願いします」と断りを入れたり…といった手順が必要になることが一般的でしょう。
しかしクラウドサービスであれば、ソフトもデータもサーバー上にあるため、共有リンクを送付するだけで、様々な相手にファイルやデータを共有することが可能です。もちろん、望まない相手に共有されてしまわないよう、アクセス権を制限することも可能です。
日本のクラウドサービスと、海外クラウドサービスの特徴の違い
さて、それではここから、日本のクラウドサービスと、海外クラウドサービスとの、特徴の違いを見て行きましょう。「日本と海外」というと括りが大きいため、実際には個々のサービスにより異なります。ですがビジネスモデルのスタイルとして、日本と海外とでは、クラウドサービス全般の傾向に、いくつか異なる部分があります。そうした相違点を見ていきましょう。
日本のクラウドサービスは「高価格・多機能」
日本のクラウドサービスは、どちらかと言えば「高価格・多機能」のサービスが多くなります。そのサービス一つで様々なことができる反面、月額料金が数万円~数十万円、というコスト感です。また、アカウント数や取引数、使用ユーザー数、ファイル容量などにより、さらに従量課金制の追加料金が発生するケースも多くあります。
メリットとしては、一つのサービスで様々なことができる点があるでしょう。
デメリットとして見れば、多機能であるため複雑で、ツールの習熟に時間が掛かる点があります。新人研修や引継ぎなどのコストも増大してしまいがちです。また、海外クラウドサービスよりもコストが高く、事業の利益率を圧迫してしまうことや、事業規模によってはコストがネックになり導入が難しくなってしまう点があります。
海外クラウドサービスは「低価格・シンプル」
一方、海外のクラウドサービスは、「低価格・シンプル」のものも多くなります。必要最低限の機能を備えた、低価格のツールです。
海外のクラウドサービス市場は、必要に応じて、様々なクラウドサービスを組み合わせて利用することが一般的です。たとえばEC事業であれば、受注管理、在庫管理、倉庫業務、マーケティングなど、さまざまな機能が必要になります。こうした際に、たとえば受注管理・在庫管理用のクラウドサービスと、倉庫管理用のクラウドサービス、マーケティング用のクラウドサービスを、それぞれ個別に、自社に最適なツールを選んで、組み合わせて使用する形です。
こうした海外クラウドサービスのメリットは、コストパフォーマンスに優れることです。自社にとって必要な機能だけを、ピンポイントに組み合わせて使うことができ、各サービスの費用も安いため、日本型の高機能・高価格のサービスを利用するよりも、相当にコストを圧縮できます。
一方でデメリットとしては、そもそも自社にとって必要な機能は何なのかを洗い出し、最適なクラウドサービスを見つけて導入すること、組み合わせて使用するためのインテグレーション(統合運用)の環境構築などに、それなりの知識が必要になることです。
ケーススタディ:海外クラウドサービスの導入・移行がおすすめの事例
それでは次に、国内クラウドサービスよりも、海外クラウドサービスの導入が有利になるケース事例について、いくつかご紹介していきます。
中小企業のDX推進などIT基盤整備による業務効率化
海外クラウドサービスは、コストの安さが魅力の一つです。月額何十万円ものコストが掛かる国内クラウドサービスはなかなか導入しにくい中小企業でも、海外クラウドサービスを活用すれば、現実的なコスト感でITツールの導入が行えます。
「DX推進や業務効率化、アフターコロナ時代の非対面化に対応すべく、IT基盤整備に力を入れたいものの、予算の確保が難しい」といったケースでも、海外クラウドサービスの活用が見込める事例となるでしょう。
国内クラウドサービスから海外クラウドへの移行による採算性の改善
「既に国内クラウドサービスを利用しているものの、利用費などのコストが重く、採算性に伸び悩んでしまっている」といったケースです。この場合も、海外クラウドサービスへの移行により、コストパフォーマンスを改善し、採算性を向上させることが期待できます。
既に国内クラウドサービスを使っている事例のため、「自社の事業にとって、どのような機能やサービスが必要か」という、機能要件の洗い出しが比較的容易な点も優位性と言えるでしょう。高価格・多機能な国内クラウドサービスを契約してはいるものの、実際には全ての機能は使っていない場合など、必要な機能だけに絞り込んで、低価格かつシンプルな海外クラウドサービスの組み合わせに移行することで、コストを大幅に削減できる可能性があります。
国内クラウドサービスでは難しい機能の実現
海外クラウドサービスは、日本よりも圧倒的に大きな市場があります。日本語話者は1億3000万人ほどですが、英語圏では15億人規模の市場があるためです。市場が広いため、国内ではなかなか見かけないような、ニッチな機能を持ったクラウドサービスも、海外には比較的多くなります。
そのため、「こんなことを実現したいけれど、国内のクラウドサービスでは、なかなか必要な機能が揃ったものが見つからない」といったケースでも、海外クラウドサービスの組み合わせで、比較的容易に実現できるケースも珍しくありません。
ニッチな機能を持ったツールも多く、組み合わせで可能性が無限大に広がる、海外クラウドサービスならではの活用と言えるでしょう。
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海外クラウドサービスは、国内のクラウドサービスとは様相の異なるシーンが広がっています。複数のサービスを組み合わせ、自社にとって最適な環境を構築することで、効果的なコストパフォーマンスを実現できます。
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