動画を活用してECサイトの売上・集客UPを実現するコツ
インターネットは、今や「動画」の時代と言っても良いでしょう。Youtube、Tiktokなどの動画メディアは、もはや若者だけでなく、幅広い世代にとって当たり前のコンテンツになっています。
ECサイトにおいても、動画コンテンツを活用した販売促進、動画コマースに注目が集まっています。そこで今回は、ECサイトにおける動画コマースの基本や、動画ならではのメリット、注意点などをご紹介していきます。
ECサイトにおける動画コンテンツの3つのメリット
まずは、ECサイトに動画コンテンツを導入する、3つのメリットについて確認していきましょう。
1:売上アップ
2:集客アップ
3:ブランド力の向上
こうした3つの効果が期待できます。
1:動画による売上アップ
ECサイトの最も大きな弱点は、「購入前に、お客様が商品を手に取って確認できない」ことにあります。写真だけでは実感は沸かず、サイズや重量などの情報からイメージを膨らませることも困難です。
「どんな商品かわからないし、買ってみて失敗だったらどうしよう」
そんな不安が、あと一歩のところで、お客様の購入をためらわせてしまいます。
ですが動画を使って商品を紹介すれば、より実際に近いイメージをお客様に伝えることができます。実際のサイズ感や、さまざまな角度から見た時の様子、使用感などを、よりリアリティを持って訴求することが可能です。
こうしたイメージを動画でしっかりと伝えることで、お客様の不安を取り除き、「これなら買ってみよう」と思って頂けます。そのため、動画コンテンツを活用することで、「あと一歩で取りこぼしてしまっていた機会損失」をしっかりと拾い上げ、売上アップを実現することが可能です。
2:動画による集客アップ
動画コンテンツによる集客は、主にSEO(検索エンジン最適化)に効果を発揮します。
Googleなど検索エンジンのアルゴリズムは、動画の埋め込まれているサイトを、検索結果画面の「動画」タブに表示します。そのため、「この商品の動画を見てみたい」という需要を持ったユーザーを集めやすくなります。
他にも、動画コンテンツがあることで、検索エンジンからの評価が高まり、「動画」タブではない、通常の検索結果画面にも上位表示されやすくなります。動画によりページ滞在時間が延び、エンゲージメント率が向上することも、SEO集客にプラスに働きやすくなります。とくに競合のECサイトが動画をあまり使っていない場合、先手を打って動画を展開することで、集客競争で優位に立てることになります。
3:ショップブランドのイメージと信頼性の向上
動画コンテンツの掲載は、ショップのブランドイメージ向上や、信頼感のアップにもつながります。画像やテキストよりも、さらにリッチなコンテンツである動画を掲載することで、「充実したしっかりしたサイトだ」と安心感を持って頂けることにもなるでしょう。
動画コンテンツは、より明確にブランドのイメージやコンセプトを表現し、魅力をしっかりとお客様に伝えることができます。こうした動画コンテンツによるブランドイメージの演出は、競合他社との差別化にも戦略的に機能するでしょう。
ECサイトにおける動画コンテンツのデメリットと注意点
続いて、デメリットと注意点も整理しておきましょう。動画コンテンツは強力なツールですが、同時にデメリットや注意するべき点もあります。
1:制作コスト(予算・時間)が掛かる
2:動画制作・編集の技術とセンスが必要
3:動画サイトからECサイトへの導線確保が困難
この3点について見ていきましょう。
1:制作コストが掛かる
動画コンテンツの最大のネックは、予算と時間です。たとえば、通常の記事ページなら外注しても1万円弱で制作できますが、動画の場合は安くても10万円程度は見たほうが良いでしょう。
実際には、動画の品質、制作方法、再生時間などにより異なります。たとえば、野外ロケーションでの撮影であれば、機材やスタッフの移動費なども含めて、かなりの予算が掛かります。大掛かりな準備が必要になるため、時間も予算もかなり膨れ上がってしまうでしょう。一方で、画像ベースの簡単なものであれば、手元のPC一台で制作できるため、ある程度は予算を抑えて制作することも可能です。それでも時間・予算・工数ともに、他のコンテンツよりも一つ桁の大きいコストが掛かる心構えが必要です。
コストが掛かるぶん、しっかりと活用し、または収益化して回収するなど、何らかの手立ても考える方が良いでしょう。
・サイト内への掲載だけでなく、広告素材としても使用する
・充実した動画コースを制作し、販売して収益化する
こうしたマネタイズや収益化の手段を用意しなければ、動画の制作コストに圧迫されてしまいます。
2:動画制作・編集の技術とセンスが必要
動画コンテンツには、制作や編集の技術とセンスも必要になります。技術面に関しては、動画制作ソフトやクラウドサービスなどの充実により、以前よりハードルはかなり下がりました。カット編集やワイプ、タイトル表示、字幕、BGMといった基本的な動画編集は、スマートフォンアプリでも十分に行えます。一方で、動画制作のセンスに関しては、ツールで補うには限界もあります。編集の技術だけあっても、センスが無ければ、魅力的な動画コンテンツは制作できません。
見栄えの良くない、魅力に乏しい動画コンテンツは、かえって自社のブランドイメージを下げてしまう恐れもあります。予算や時間の都合などにより、動画のクオリティを担保できないのであれば、「あえて動画コンテンツを使わない」という選択肢も考えたほうが良いでしょう。
3:動画サイトからECサイトへの導線確保が困難
もう一つ見落とされがちなのが、ECサイトへの導線です。動画コンテンツを、ECサイト内への掲載に絞って活用するのであれば問題ありません。ですが、たとえばYoutubeに動画をアップして、そこから自社サイトへ誘導したいと考えた場合、導線確保の問題にぶつかります。
というのも、Youtubeなどの動画サイトは基本的に、そのサイト内でユーザーの行動が完結するように設計されています。たとえば、Youtubeで動画内にボタンリンクを表示し、ユーザーを自社サイトに誘導したいと考えます。こうした機能は確かにYoutubeにも実装されていますが、パートナー要件を満たしたユーザーでなければ利用できません。
Youtubeのパートナー要件は、チャンネル登録者数1500人、直近1年間の総再生時間が4000時間と、かなり厳しい基準になっています。この要件は、全Youtubeアカウントの上位15%程度に入ることを意味します。こうした厳しい収益化要件を満たさなければ、動画内に自社サイトへの案内リンクを掲載することはできません。
動画の概要欄にURLを記載する方法もありますが、この概要欄はほとんどのユーザーは見ておらず、サイトへの誘導はほとんど期待できません。
このように、動画サイトから自社ECサイトへアクセスを誘導しようと考えると、現実的にはかなり厳しい要件の壁に阻まれてしまいます。従って、動画はあくまで自社サイト内への埋め込みや、動画広告の出稿を目的として使うと割り切ったほうが良いでしょう。
ECサイトの動画制作の流れ
それでは実際に、ECサイトに掲載する動画コンテンツの、制作の流れを見ていきましょう。
1:動画制作の目的を決める
まず重要なのは、動画制作の目的を決めることです。
「商品のイメージをアピール伝える」
「商品の使い方や活用方法を案内する」
「ブランドやショップに親しみを持ってもらう」
など、さまざまな目的の持ち方があります。
ここで目的を明確化させておかないと、方向性が迷走してしまい、顧客がなかなか定着せず、成果が上がりにくくなります。しっかりと目的を見定めましょう。
2:動画の内容と方向性を決める
目的が明確化したら、それに合わせて内容と方向性を決めていきます。
たとえば、「商品のイメージをアピール伝える」ことが目的であれば、演出にこだわった、CMのようなPR動画の方向性が浮かぶでしょう。
「商品の使い方や活用方法を案内する」であれば、動画レビューという方向性があります。実際にレビューワーが動画に出演し、商品を手に取って、使用感をレビューしたり、活用方法をレクチャーする動画です。
「ブランドやショップに親しみを持ってもらう」目的であれば、動画ブログの方向性も視野に入ります。スタッフの日常のオフショットや、少し面白い動画などをアップして、顧客に親密さを感じてもらう形です。
他にも、目的に応じて様々な動画の方向性があります。どんな動画なら目的を達成できるのか、しっかりと検討していきましょう。
3:必要な機材を用意し、人員をアサインする
次に、機材と人員のアサインです。出演者、ナレーターなどのほか、撮影、編集、脚本などのスキルを持った人材も必要になるでしょう。
どんな機材や人員が必要になるかは、制作する動画の方向性によって異なります。たとえば商品の動画レビューであれば、レビューワーとして出演する人も必要になります。スライドとナレーションでプレゼンテーションのように案内していく方針であれば、スライド制作のスタッフも必要になるでしょう。動画ブログのようなコンテンツであれば、スタッフ自身が出演者となるため、「動画に出てもらって良いか」という意思確認もしっかりと行っておくことが大切です。
いずれにしても、複数人のチームで取り組むことになるのが一般的です。チームでの連絡・情報共有体制も、グループチャット系のSaaSを活用して整えておきましょう。
4:企画を立て、脚本(プロット)を制作する
人員が揃ったら、動画の制作・撮影に入る前に、まず企画立案を行い、脚本を制作していきます。「今回はどんな動画を撮影するのか」という企画を定め、それに応じた脚本を作ります。
行き当たりばったりで撮影に入ると、内容がまとまらず、リテイク(撮り直し)も重なり、大変な時間と労力が掛かってしまいます。事前に企画を立て、筋書きを決め、脚本をしっかりと用意しておくことで、効率的な動画制作が可能になります。
5:撮影、または制作
ここまで準備が整ったら、いよいよ撮影です。人員、機材、企画、脚本が揃っていれば、特に迷わず撮影を進めることができるでしょう。どんなカットをどこで撮れば良いのか、内容が揃っているためです。撮影は、もっとも時間と予算が掛かるプロセスです。ここで現場で話し合いながら撮影を進めていると、コストも膨れ上がってしまいます。撮影をスムーズに済ませるためにも、事前の準備が大切になります。
画像の組み合わせなど、プレゼンテーションのような方向性でまとめる場合、いわゆる撮影のプロセスは必要ありません。その代わり、画像やスライドの制作、ナレーションの吹込みといった作業が必要になります。こちらも、相応の予算と時間が掛かるため注意が必要です。
6:編集
撮影、または制作した動画は、必ず編集を加えましょう。いわゆる「撮って出し」(撮影したままの動画を無編集で公開すること)は、動画のクオリティが低くなり、伝えたいメッセージや情報もうまく伝わりません。よほど撮影に慣れたプロでなければ、避けるべきでしょう。
編集では、
・余分な場面をカットする
・タイトルや字幕を付ける
・プライバシーや社内情報が流出しないようマスキングする
・BGMやエフェクト、トランジションで演出を施す
・会話やナレーションなど音声が聴き取りやすいよう整音する
といった作業を行います。
7:公開
ここまで制作が整って、ようやく公開できる動画が完成します。サイトにアップロードし、SNSなどで告知を行うと効果的です。
二本目以降は、企画・脚本・撮影・編集・公開と繰り返していくことになります。実際に動画制作を進めながら、必要に応じて、機材などの見直しも行っていきます。
ECサイトの掲載動画の制作は、個人の趣味レベルとは異なる
スマートフォンや動画サイトの普及もあり、動画を作って公開することは、日常的な行動の一つとなっています。ですが、ビジネスであるECサイトで活用する動画コンテンツは、個人がSNSにアップする動画とは、求められる水準がまったく異なります。
動画コースの制作や販売も同様です。無料で無数の動画が閲覧できる現代において、「お金を払ってでも見たい」と思ってもらえる動画を作成するためには、中身のしっかりと詰まった、独自性のある、高品質な動画を作成することが不可欠です。
ECサイト+オンラインスクールで、商品も動画も収益化
ECサイトにとって、動画コンテンツは極めて強力なツールです。しかし、その製作にはコストも時間も相応に掛かります。体制をしっかりと構築し、企画・撮影・編集と本格的に取り組まなければ、お客様の購買意欲につながる動画は制作できません。
そのため、一つのソリューションとして、「ECサイト+オンラインスクール」という考え方もあります。
宣材や商品PRのためだけに動画を作るのではなく、商品を活用した本格的なオンラインスクールを開講し、動画コンテンツそのもので収益化をはかっていく方針です。この方針であれば、オンラインスクール用に予算を掛けて作った動画の一部を、商品PR用に転用することも可能であり、採算性の問題をクリアできます。
さらに、「ECサイトで商品やサービスを販売する」という収益軸に加えて、「オンラインスクールの販売」という、もう一つの収益軸を確保できるため、事業の安定性向上や、収益の改善にもつながります。
動画制作の予算を削って、水準の低い動画ばかりをアップしても、お客様に失望されて見限られてしまうだけです。こうなってしまえば、メリットは何もなく、コストとデメリットばかりが積み上がります。それよりは、しっかりと予算と工数をかけて、水準の高い動画を制作し、そしてオンラインスクールという形で費用を回収していくほうが、現実的で持続可能な成長戦略だと言えるでしょう。
ECサイト+オンラインスクールの展開をサポート!クラレボにご相談下さい
弊社クラレボでは、オンラインスクールの構築・運営をワンストップでご支援するサービスも提供しています。コンサルティングから撮影・編集、システム構築、LP制作、マーケティング、運用サポートまで、一貫したサービスとなっています。
動画コンテンツの活用として、オンラインスクール事業の展開にもご興味をお持ちの方は、この機会にぜひお気軽にご相談下さい。皆様のご相談をお待ちしております。