この記事の概要:Thinkificには日本向けの決済機能がなく、Stripeの接続が実質必須です。何が自動化され、何を自分で用意する必要があるのか、他の海外プラットフォームとの違いも含めて整理します。
Thinkific(シンキフィック)の導入を具体的に検討し始めると、多くの方が同じところで手を止めます。決済の設定です。
管理画面を開いても、日本の銀行口座をそのまま登録できる項目は見当たりません。かわりに目に入るのが、Stripe(ストライプ)という聞き慣れないサービス名です。ここで「これは自分には難しいのでは」と感じて検討を止めてしまう方は、少なくないはずです。
ですが先に結論をお伝えすると、Stripeの設定作業自体は想像以上に簡単で、早ければ3分ほどで完了します。
この記事では、なぜThinkificで日本からStripeの接続が必要になるのか、接続すると何がどこまで自動化されるのか、そして手間として実際にどの程度のものなのかを整理します。あわせて、TeachableやKajabiといった他の海外プラットフォームでも同じ壁にぶつかるのか、という点にも触れます。
Thinkific Paymentsという便利な機能が、なぜ日本では使えないのか
Thinkificには、Thinkific Paymentsという組み込み型の決済機能があります。決済代行サービスを別途契約しなくても、講座の販売から入金までを一つの画面で完結させられる機能です。
ただし、この機能を使えるのは、米国・カナダ・英国に拠点を置く事業者に限られています。日本を拠点とする場合、Thinkific Paymentsは選択肢に入りません。
ここで誤解しやすいのが、「日本語対応している」ことと「日本向けのすべての機能が使える」ことは別問題だという点です。Thinkificは管理画面や受講者向け画面の日本語化には対応していますが、決済に関しては別の条件で線引きがされています。この線引きを知らずに契約を進めると、決済の段階で初めて「使えない」と気づくことになりかねません。
日本を拠点とする場合、代わりに使うことになるのがStripeやPayPal(ペイパル)といった外部の決済サービスです。この記事では、実務上より一般的な選択肢であるStripeを中心に見ていきます。
Stripe・PayPalのアカウント登録は、身構えるほど大変ではない
「聞き慣れないサービスに登録しなければならない」と聞くと、それだけで面倒に感じる方も多いと思います。ですが、実際の登録作業は、想像しているよりずっと軽いものです。
弊社でも実際にStripeとPayPalのアカウント登録を行ってみました。どちらもGoogleアカウントとの連携で進められ、住所や事業情報を一つひとつ手入力するような場面はほとんどありませんでした。画面もすべて日本語で表示され、どこで何を入力すればよいか迷うこともありません。実際にかかった時間は、両方合わせても3分程度でした。
もちろん、事業の形態や登録内容によっては、追加の確認事項が発生する場合もあります。ただ、少なくとも「登録してみようと思い立ってから最初の一歩を踏み出すまで」のハードルは、思っているよりずっと低いというのが、実際に試してみた印象です。この後の章で、Stripeを接続すると何がどう変わるのかを詳しく見ていきます。
Stripeを接続すると、決済のどこまでを任せられるのか
Stripeを接続することで解決される範囲は、決して狭くありません。
クレジットカードでの決済受付はもちろん、月謝のような形で毎月自動的に課金する定期課金の仕組みも、Stripe側で処理されます。生徒がカード情報を一度登録すれば、翌月以降の請求と入金確認は自動で進みます。運営側が毎月の入金を目視で確認する、という作業から解放される点は、Stripeを接続する大きな理由の一つです。
一方で、Stripeを接続したからといって、すべてが自動化されるわけではありません。たとえば、生徒が退会や返金を申し出た場合、決済を止める処理と、その生徒の受講権限を止める処理は、別々の仕組みで動いています。Thinkific側の設定を正しく連動させておかないと、支払いが止まっているのに教材だけは見られる、という状態が起こり得ます。この連動の設定自体は難しいものではありませんが、「Stripeを接続すれば決済まわりはすべて自動で安心」と考えてしまうと、こうした細部を見落としがちです。
手数料はThinkific PaymentsとStripeで変わるのか
手数料については、海外の一般的な情報を見る限り、Thinkific PaymentsとStripeの手数料は同水準とされています。PayPalは、これよりやや高めの水準になっているという情報もあります。
ただし、これらはいずれもドル建ての取引を前提とした情報です。日本円建ての取引で実際にどのような料率が適用されるのか、為替や国際決済に関する追加の費用が発生するのかどうかは、各社の公式ヘルプで個別に確認する必要があります。この点を確認しないまま「安いはず」と思い込んで契約すると、想定より手取りが減っていた、ということにもなりかねません。
Stripe接続の設定は、実際どのくらいの手間なのか
設定そのものは、専門的な知識を必要とするものではありません。
大まかな流れとしては、Stripe側でアカウントを作成し、そのアカウントをThinkific側の決済設定画面から連携させる、という手順になります。連携が済めば、以降の決済処理はStripe側で自動的に行われます。
なお、Thinkific側ではStripeとの連携を土台にした機能拡張が継続的に進んでいます。2024年には、Stripeが提供するチェックアウト機能や後払いサービスなどを、Thinkific上で利用できるようにする取り組みが発表されました。こうした拡張が日本のアカウントにどこまで適用されるかは執筆時点では確認が取れていませんが、Thinkific側がStripeとの連携を今後も強化していく方針であることは、選択の際の判断材料になると思います。
Thinkific以外の海外プラットフォームも、日本からだと同じ壁にぶつかる
ここまでThinkificを中心に見てきましたが、他の海外プラットフォームではどうでしょうか。
TeachableやKajabi(カジャビ)にも、Thinkific Paymentsと同じような自社組み込み型の決済機能があります。ところが、これらの対応地域も北米や英語圏の一部の国が中心で、日本は含まれていません。つまり、サービスを変えても、日本を拠点とする限り同じ壁にぶつかることになります。
一方で、LearnWorlds(ラーンワールズ)は少し性質が異なります。このサービスは自社ブランドの組み込み決済という考え方自体を採用しておらず、最初からStripe・PayPal・Shopifyのいずれかを選ぶ設計になっています。「対応国から外れているので使えない」のではなく、「そもそも国によって対応が分かれるという発想がない」という違いです。
このように整理すると、サービスによって決済の仕組みは違って見えても、日本から使う場合は多くのケースで最終的にStripeへの接続という同じ土俵に立つことが分かります。どのサービスを選ぶかを決済面だけで判断するのは、あまり合理的ではないかもしれません。
Thinkific+Stripeという組み合わせが向いているのはどんな人か
ここまでの内容を踏まえると、Thinkific+Stripeという組み合わせが向いているかどうかは、次のように整理できると思います。
月謝制のように継続課金を前提とした講座を、できるだけ手作業を減らして運営したい方には、この組み合わせは向いていると考えられます。定期課金の自動化という部分で、Stripeの強みがそのまま活きるためです。
反対に、決済まわりの設定作業自体にまったく時間を割きたくない、という方には、最初の接続作業がハードルに感じられるかもしれません。ただし、この作業は一度済ませてしまえば、その後の運用で繰り返し発生するものではありません。
まとめ
Thinkific Paymentsが日本では使えないこと、そのためStripeの接続が実質的な前提になること、そしてこの構造はThinkificに限らず他の海外プラットフォームでも共通していることを見てきました。
手数料の詳細や、Stripe連携の拡張機能が日本のアカウントにどこまで適用されるかなど、公式情報だけでは判断しきれない部分も残っています。この点は、実際に契約して確認できたタイミングで、あらためてお伝えできればと思います。
Thinkific自体がどのようなサービスなのか、機能の全体像から確認したい方は、Thinkificの機能や特徴を整理した記事もあわせてご覧ください。


