海外SaaSサポートへの英語問い合わせの型

海外SaaSサポートへの英語問い合わせの型
目次

この記事でわかること

  • 英語が苦手でも、問い合わせは通せるという考え方
  • 送る前に手元に揃えておくと、やりとりが一往復で済む情報
  • そのまま骨組みとして使える、問い合わせ文の型
  • 返事が来ないときに、次に何をするか

海外のサービスで困ったことが起きた。でも、窓口は英語しかない。──ここで手が止まり、問題を放置してしまう。これは、とてももったいない状態です。

この記事では、英語が得意でなくても通じる問い合わせの型をお伝えします。目指すのは、きれいな英語ではありません。相手が状況を正しく理解できること、それだけです。

1. 英語が苦手でも、問い合わせはできる

まず、思い込みを外すところから始めます。

丁寧さより、正確さ

日本語のビジネスメールは、前置きと気づかいで始まります。英語の問い合わせでは、その作法は求められません。いきなり用件から入って構いません。むしろ、前置きが長いと、何に困っているのかが伝わりにくくなります。

短い文をいくつも並べる

長い一文を作ろうとすると、文法が崩れて意味が通らなくなります。一つの文に、一つのことだけを書いてください。箇条書きにしてしまっても構いません。読む側にとっても、そのほうが分かりやすいはずです。

相手は毎日、非母語話者の英語を読んでいる

世界中に利用者がいるサービスの窓口は、いろいろな国の人からの英語を読み慣れています。多少ぎこちなくても、必要な情報が入っていれば通じます。間違いを恐れて送らないことのほうが、はるかに大きな損失です。

2. 問い合わせる前に、手元に揃えておく情報

やりとりが何往復にもなる原因は、たいてい最初の一通に情報が足りないことです。次のものを先に揃えてから書き始めてください。

  • アカウントを特定できる情報。登録に使っているメールアドレス、あるいは組織の名前です
  • いつ起きたか。日付と、おおよその時刻。時差があるので、時間帯の表記も添えると親切です
  • どの画面で起きたか。画面の名前を、英語の表記のまま書き写します
  • 何をしたか。押したボタン、入力した内容。順番に並べます
  • 何が起きたか。出たメッセージを、英語のまま一字一句そのまま書き写します
  • どうなってほしいか。何を期待していたのかを一行で書きます
  • 画面の写真。言葉で説明するより速く伝わります

とくに大事なのが、エラーの文言をそのまま書き写すことです。日本語に訳してしまうと、相手はそれを検索できません。英語の表示は、英語のまま貼ってください。

3. そのまま使える、問い合わせ文の型

骨組みを示します。かっこの中を差し替えれば、そのまま使えます。

件名

件名は、何についての話かが一目で分かる短い文にします。

Error when (したこと) — account: (メールアドレス)

「Question」「Help」だけの件名は避けてください。窓口には同じ件名のメールが大量に届きます。

本文の骨組み

Hello,

My account: (登録しているメールアドレス)

What happened:
- On (日付), I tried to (やろうとしたこと).
- I clicked (押したボタンの名前) on the (画面の名前) page.
- I saw this message: "(出たメッセージをそのまま)"

What I expected:
- I expected (どうなってほしかったか).

What I already tried:
- (試したこと1)
- (試したこと2)

Could you tell me what to do next?

Thank you,
(名前 / 会社名)

この型の利点は、見出しで区切られているので、相手が必要なところだけ読めることです。文章として整っている必要はありません。

「すでに試したこと」を書く意味

これを書いておくと、「まずログインし直してください」といった定型の返事で一往復を無駄にすることを防げます。ブラウザを変えて試した、別の端末で試した、といった内容で構いません。

4. 翻訳ツールを使うときの注意点

翻訳ツールで英文を作るのは、まったく問題ありません。ただし、いくつか気をつける点があります。

日本語のほうを、先に短くする

翻訳の質は、元の日本語の分かりやすさで決まります。主語を省いた文や、二重否定、「〜のような形で」といった曖昧な言い回しは、訳したときに意味が変わります。元の文を、主語と述語がはっきりした短い文に直してから翻訳してください。

エラーの文言は訳さない

先ほども書きましたが、画面に出た英語の表示は、そのまま貼ってください。訳し戻すと、元の文言と一致しなくなります。

訳し戻して確かめる

できあがった英文を、もう一度日本語に訳し直してみてください。意味が変わっていたら、元の日本語を書き直します。この一手間で、意図しない伝わり方をかなり減らせます。

社外に出せない情報を入れない

翻訳のサービスに文章を入力することは、外部へ情報を渡すことでもあります。お客さまの個人情報や、社外に出せない内容は入力しないでください。自社の決まりがある場合は、それに従ってください。

5. 返信が来ないときの対処

送ったのに返事がない。この場合、次の順で確かめてください。

  1. 迷惑メールに入っていないか。海外からの返信は、振り分けられていることがあります
  2. 受付の自動返信は届いたか。届いていなければ、そもそも送信が失敗している可能性があります
  3. 目安の日数を過ぎているか。ヘルプページに返信までの目安が書かれていることがあります。時差と、相手の国の休日も考えてください
  4. 別の窓口はないか。メールで反応がなければ、チャットや、サービス内の問い合わせ画面を試します

催促するときの書き方

強い言葉は必要ありません。前のやりとりに返信する形で、短く送ります。

Hello,

I am following up on my message sent on (日付).
Could you please let me know the status?

Thank you,
(名前)

新しいメールで送り直すより、同じやりとりの続きとして返信するほうが、担当者が経緯を追いやすくなります。

なお、実際の返信の速さや、日本語で答えてもらえるかどうかは、サービスによって違います。当社は個別に確かめていませんので、この点は推測です。契約する前に一度質問を送って、返事の速さを見ておくことをおすすめします。

6. チャット窓口を使うときのこつ

メールではなく、画面の隅に出るチャットで受け付けているサービスも増えています。速い反面、メールとは勝手が違うので、注意点を挙げます。

先に文章を作ってから開く

チャットは、開いてから考えていると、待たせてしまいます。メモ帳などで英文を用意してから、貼り付けるのがおすすめです。翻訳ツールを使う時間も、先に確保できます。

最初の一言に用件を入れる

最初は自動の応答であることが多く、そこで振り分けられます。あいさつだけを送ると、そのぶん時間がかかります。一言目から用件を書いてください。

やりとりを必ず残す

チャットの記録は、画面を閉じると消えてしまうことがあります。終わる前に、記録をメールで送ってもらえるか聞くか、画面の写真を撮っておいてください。「そう言われたはず」を証明できるかどうかは、あとで効いてきます。

込み入った話はメールに切り替える

その場で解決しない内容は、チャットで粘るより、メールに切り替えたほうが早いことがあります。担当者が交代しても経緯が引き継がれやすいためです。

まとめ

  1. 丁寧さより、正確さを優先する。短い文をいくつも並べる
  2. 送る前に、アカウント・日時・画面・操作・出た表示・期待した結果を揃える
  3. エラーの文言は、英語のまま貼る
  4. 翻訳を使うときは、元の日本語を短くしてから訳し、訳し戻して確かめる
  5. 返事がなければ、迷惑メールを確認したうえで、同じやりとりに短く返信する

問い合わせの型を一度作ってしまえば、次からは差し替えるだけです。社内で共有できる形にして残しておくと、担当が代わっても困りません。

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