海外SaaSの解約・退会|つまずきやすい点

海外SaaSの解約・退会|つまずきやすい点
目次

この記事でわかること

  • 「解約」と「退会」が、別の手続きとして分かれていることが多い理由
  • 解約の操作をしても、すぐには止まらないしくみ
  • 解約を忘れたときに、どういう順番で困ったことが起きるか
  • 解約する前に、手元に控えておきたいこと

海外のクラウドサービスは、申し込むのは簡単でも、やめるときに戸惑うことがあります。ボタンが見つからない。押したのに、まだ使える状態が続く。翌月も請求が来た。──こうしたつまずきは、しくみを知っていれば、かなり防げます。

この記事では、やめるときの手続きの流れを整理します。データの持ち出しについては別の記事で扱いますので、ここでは手続きそのものに絞ります。

1.「解約」と「退会」は、別の手続きであることが多い

日本語ではどちらも「やめる」ですが、海外のサービスでは、次の2つがはっきり分かれていることがほとんどです。

解約(支払いを止める)

有料の契約をやめる手続きです。英語では「cancel subscription」「cancel plan」といった表現が使われます。これを行うと、次回以降の請求が止まります。ただし、アカウントそのものは残ります。無料の範囲で使い続けられるサービスもあります。

退会(アカウントを消す)

登録した情報ごと、アカウントを消す手続きです。「delete account」「close account」といった表現になります。こちらを行うと、中に入れたデータも消えます。

順番を間違えない

やりがちな失敗が2つあります。

  • 退会だけして、解約したつもりになる。サービスによっては、アカウントを消しても支払いの契約が別に残ることがあります。
  • 解約だけして、データが残っていることに気づかない。お客さまの情報を預けたままになります。

安全なのは、「必要なデータを手元に出す → 解約する → 請求が止まったのを確かめる → 退会する」という順番です。急いで退会してしまうと、確かめる手段そのものが失われます。

2. 解約しても、すぐには止まらない

解約のボタンを押したのに、まだ使える。これは不具合ではなく、そういうしくみであることがほとんどです。

多くのサービスは、すでに支払った期間の終わりまでは使える形をとっています。月ごとの支払いなら、その月の区切りの日まで。年ごとの支払いなら、1年の区切りの日まで。解約の操作は「次の更新をしない」という予約に近い意味だ、と考えると分かりやすくなります。

確かめておきたい表示

解約の操作をしたあと、管理画面のどこかに「いつまで使えるか」が表示されます。英語では「Your plan will end on …」「access until …」のような書き方です。この日付を必ず控えてください。ここが、あとで請求が止まったかどうかを判断する基準になります。

また、解約の操作が本当に受け付けられたかどうかは、確認のメールが届いたかで判断します。届かない場合、操作が最後まで進んでいない可能性があります。画面を閉じる前に、確認の表示が出たかを見てください。

3. 年払いを、月の途中で解約したら

ここは、いちばん質問の多いところです。先に結論を書きます。

一般には、年払いを途中でやめても、残りの期間ぶんは戻ってこない扱いのサービスが多いようです。かわりに、支払った期間の終わりまでは使い続けられます。

ただし、ここから先は推測です。当社は、個別のサービスの規定を一つひとつ確かめたわけではありません。返金に応じるサービスもあれば、条件つきで応じるサービスもあり得ます。申し込みから短い期間なら戻る、という決まりを設けているところもあると聞きます。

正確なところは、必ずご自身で、そのサービスの利用規約と解約についての説明をご確認ください。この記事の記述をもって「戻らない」と決めつけないでください。

実務としての備え方は、こうです。年払いは、使い続けることがほぼ決まってから選ぶ。見極めの途中なら、月ごとの支払いのほうが身軽です。

4. 解約を忘れると、どうなるか

使っていないのに支払いだけが続く、という状態は、次のような順で気づかれないまま進みます。

  1. 担当者が代わる。前の担当者しか管理画面に入れず、何のサービスか分からなくなる
  2. 明細に見慣れない名前が並ぶ。サービス名と、明細に出る会社名が違うことがあり、照合できない
  3. 止め方が分からない。ログインに使っていたメールアドレスが、退職などで使えなくなっている
  4. 止めるための連絡もできない。本人確認ができず、問い合わせも進まない

これを防ぐ方法は、難しくありません。

  • 申し込むときのメールアドレスを、個人ではなく共有のものにする。担当が代わっても引き継げます
  • 契約している海外サービスの一覧を、社内に1枚だけ作る。サービス名、明細に出る名前、支払い方法、更新の時期、担当者を並べます
  • 更新の時期をカレンダーに入れる。更新の少し前に通知が来るようにしておきます

とくに「明細に出る名前」を控えておくことは効きます。カードの明細と、サービス名が一致しないことが多いためです。

5. 解約する前に、控えておきたいこと

やめると決めたら、操作する前に、次のものを手元に残してください。あとから取りに戻れなくなります。

  • 支払いの記録。領収書や請求書は、解約後にアカウントへ入れなくなると、取り出せなくなることがあります
  • 設定の内容。どういう設定で運用していたかを、画面の写真で残しておきます。別のサービスに移るときの土台になります
  • お客さまに送っていた文面。自動で送られるメールの本文などは、意外と作り直しに手間がかかります
  • 解約の操作をした画面と、確認のメール。あとで請求が続いたときの証拠になります
  • 連携していた他のサービスの一覧。止めたことで、別の仕組みが動かなくなることがあります

最後の点は見落とされがちです。やめるサービスが、他の仕組みの入口になっていないかを、解約の前に一度たどってみてください。

6. 解約の画面が見つからないとき

「やめたいのに、やめるボタンが見つからない」という声もよく聞きます。多くは、意地悪をされているのではなく、置き場所が日本のサービスと違うためです。探す順番を挙げます。

まず、支払いに関する画面を探す

「Billing」「Subscription」「Plan」といった名前の画面に入っていることが多いです。アカウントの設定の中ではなく、支払いのまとまりの中にある、と考えて探してください。

次に、ヘルプページで検索する

ヘルプの検索窓に「cancel」と入れると、手順の説明が出てくることがほとんどです。画面を探し回るより、ヘルプを読んだほうが早いことが多いです。

それでも見つからないときは、問い合わせる

画面上で操作できず、窓口に連絡して初めて手続きが進むサービスもあります。その場合は、やめたいという意思を、日付が残る形で伝えることが大切です。チャットよりメールのほうが記録が残ります。送った内容と日時は、必ず控えておいてください。

カード会社に止めてもらう、は最後の手段

支払いだけを止めれば済む、と考えたくなりますが、これは契約そのものを終わらせる手続きではありません。未払いとして扱われ、話がこじれることがあります。まずはサービス側の手続きを進めてください。それでも解決しないときの扱いについては、カード会社や専門家にご相談ください。

まとめ

やめるときの手順を、順番に並べます。

  1. 必要なデータと記録を、先に手元へ出す
  2. 「解約」の手続きをする(支払いを止める)
  3. いつまで使えるかの日付を控える
  4. 確認のメールが届いたことを確かめる
  5. 次の請求が来ていないことを、明細で確かめる
  6. そのうえで、必要なら「退会」する

やめ方は、始めるときに決めておくのがいちばん楽です。申し込んだその日に、更新の時期と、やめるときの連絡先をメモしておいてください。

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