この記事でわかること
- 海外のサービスの料金が、なぜ外貨で表示されているのか
- 月ごとの支払いと年ごとの支払いで、表示がどう変わるのか
- 為替がいつの時点で決まるのか(ここは推測を含みます)
- 料金ページを見るときに、見落としやすいところ
海外のクラウドサービスの料金ページを開いて、そのまま閉じてしまった経験はありませんか。数字は書いてあるのに、自社が結局いくら払うことになるのかが分からない。社内の稟議に書く金額が出せない。
この記事では、金額そのものではなく、料金ページの「読み方」を整理します。金額はサービスごとに違い、変わることもありますので、この記事では具体的な数字は扱いません。かわりに、どこを見れば自社の負担が見積もれるのかを説明します。
1. なぜドルやユーロで表示されているのか
海外で作られたサービスは、世界中の利用者に同じページを見せています。国ごとに値段を作り分けると、管理が大変になります。そこで、基準となる通貨をひとつ決めて、そこに統一していることがほとんどです。米ドルが多く、ヨーロッパの会社ならユーロのこともあります。
ここで大事なのは、表示されている通貨が、そのまま請求される通貨とは限らないという点です。次の3つの形があり得ます。
- 表示も請求も外貨で、カード会社が日本円に換算する
- 表示は外貨だが、決済の画面で日本円が選べる
- アクセスした国に合わせて、表示そのものが自動で切り替わる
どれに当たるかは、決済の直前の画面まで進まないと分からないことがあります。申し込みの最終画面で、通貨の表記をもう一度確かめてください。
表示が自動で切り替わることの落とし穴
アクセスした場所によって表示通貨が変わるしくみだと、社内の別の人が見たときに違う表示になることがあります。「同じページを見ているはずなのに、金額の話がかみ合わない」というときは、まず通貨の表記が同じかどうかを確かめてください。
2. 月ごとの支払いと年ごとの支払いで、表示が変わる
料金ページの多くには、「月払い/年払い」を切り替えるボタンがついています。ここでいちばん多い勘違いを挙げます。
年払いを選んだときに表示される数字が、「1年分の合計」ではなく「1か月あたりに直した金額」になっていることがあります。しかも、初期状態で年払い側が選ばれているページも珍しくありません。
つまり、何も操作せずに見た数字が、「年払いを選んだ場合の、1か月あたりの金額」であることがある、ということです。これを月払いの金額だと思い込むと、実際の請求と食い違います。
確かめ方
金額の近くにある小さな文字を読んでください。「per month, billed annually」のような但し書きが添えられていることが多く、これは「1か月あたりの表示だが、請求は年に一度まとめて」という意味です。逆に「billed monthly」とあれば、毎月の請求です。
切り替えボタンを両方押して、それぞれの表示を見比べるのがいちばん確実です。片方だけ見て判断しないでください。
3. 為替レートは、いつの時点のものか
外貨で請求される場合、日本円に直す作業はカード会社が行います。ここで多くの方が気にするのが、「いつのレートで換算されるのか」です。
一般には、申し込んだ日ではなく、カード会社が売上を処理した日のレートが使われると説明されています。また、換算のときに手数料が上乗せされることがあります。
ここから先は推測です。当社は、個別のカード会社の規定を一つひとつ確かめたわけではありません。換算の時点も、上乗せの有無も、カード会社や契約によって違う可能性があります。正確なところは、お使いのカードの発行会社の案内をご確認ください。
実務上の意味は、こうです。外貨で契約すると、毎月の日本円での支払額が、少しずつ動きます。稟議に金額を書くときは、一点の数字ではなく「為替により変動します」の一文を添えておくと、あとで説明がしやすくなります。
4. 「年払いのほうがお得」という表示の読み方
年払いを選ぶと割安になる、という案内はよく見かけます。これ自体は事実であることが多いのですが、判断するときは、割引の大きさだけを見ないでください。
年払いは、1年分をまとめて先に払うということです。次の点とセットで考える必要があります。
- 途中でやめたときに、残りが戻ってくるのか。戻らない扱いのサービスもあります。
- 途中で人数や規模が減ったときに、下げられるのか。年の途中では変えられないことがあります。
- 本当に1年使い続ける見込みがあるか。試している段階なら、月払いのほうが身軽です。
- 会計処理の都合。まとめて払う支出をどう扱うかは、社内の経理の決まりによります。
使い続けることがほぼ決まっているなら年払い、まだ見極めの途中なら月払い。この分け方が、いちばん失敗が少ないと考えています。
5. 見落としやすい追加の費用
料金ページの大きな数字だけを見ていると、あとから増える部分を見落とします。次のような項目が、別立てになっていることがあります。
使う人の数で増えるもの
管理画面にログインする人が増えると、その分だけ加算される形です。「1人あたり」と書かれていたら、この形です。社内で何人が触るのかを先に数えておいてください。
量で増えるもの
登録されている顧客の数、送ったメールの数、保存したデータの量、といった単位で増えていく形です。使い始めは軽くても、育つほど負担が増えます。上限を超えたときにどうなるか(自動で上のプランに移るのか、止まるのか)も、あわせて確かめてください。
機能ごとに別売りのもの
基本のプランには含まれず、追加で申し込む形の機能があります。自社が使いたい機能が、基本に含まれているのか追加なのかを、必ず確かめてください。
決済まわりの手数料
サービスの利用料とは別に、決済のたびにかかる手数料が設定されていることがあります。売上を扱うサービスでは、ここが効いてきます。
税の扱い
表示が税抜きか税込みかは、ページによって違います。海外サービスの税の扱いについては、自社の顧問税理士に確認してください。ここは当社が一般論として説明できる範囲を超えます。
6. 契約前に、画面をそのまま残しておく
最後に、いちばん地味で、いちばん役に立つことを書きます。申し込む前に、料金ページをスクリーンショットで残してください。
海外のサービスは、料金の体系や書き方が変わることがあります。変わったあとに「前はこう書いてあったはず」と思っても、証拠がなければ話が進みません。残しておくべきものを挙げます。
- 料金ページ全体(月払い側・年払い側の両方)
- 金額の近くにある但し書きの部分
- プランごとに何が含まれるかの一覧
- 申し込みの最終確認画面(通貨と請求の周期が分かるところ)
- 解約についての説明が書かれたページ
撮った日付が分かるように、ファイル名に日付を入れておくと、あとで探しやすくなります。稟議の資料にそのまま使えることも多く、二度手間になりません。
まとめ
料金ページを読むときは、次の順に見ていくと迷いません。
- 通貨は何か。請求も同じ通貨か
- 月払い/年払いの切り替えは、いまどちら側になっているか
- 表示は1か月あたりか、1年分の合計か(但し書きを読む)
- 何を数えて増える料金なのか
- 基本に含まれない機能や手数料はないか
- 解約したときの扱いはどう書いてあるか
そして、確かめた画面は必ず残す。ここまでやっておけば、社内で金額を聞かれたときに、根拠を示しながら答えられます。
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